■漢方とは
こんにちは アサです
「健康」「健康的な身体」とはどういう状態なのかということについて
「心と体は繋がっている」という考えを基とする漢方の視点からお話しします。
いきなり漢方的には~、漢方の考えを踏まえ~という前にまず漢方とはなんなのかをざっくりご紹介します📜
❑漢方って実は日本の言葉

漢方と聞くと中国のものとイメージされがちですが正確に表現すると
【古代中国医学が起源の 日本独自の予防医学】
です。
似た言葉がいくつかあり混乱しがちなので言葉を整理して対比させてみてみると
- 西洋医学⇔東洋医学
- 蘭方 ⇔漢方
- 現代医学⇔漢方医学
このようなかんじです。西洋系なのか東洋系なのかと考えるとイメージしやすいかと思います。
漢方の起源とされる古代中国医学が奈良時代に中国から伝来し、その後日本の風土に合わせて日本独自の医学書として発展していった
…という背景があります。
時を経て江戸時代、西洋医学(主にオランダ)が日本に入ってきた際にそれを「蘭方(阿蘭陀の蘭)」と呼んだことから、西洋医学が入る前まで日本にあった医学と区別させるため「蘭方」に対して「漢方」という名前がつけられました。
❑漢方においてのキーワードは「自然」
漢方の起源である古代中国医学が自然哲学を基にした医学だったことから漢方も同じく
人間も自然の一部…だから自然の法則に沿って生活することが健康に繋がる
という自然哲学的な考え方を持っています。
この思想から、この世のあらゆるものが「陰/陽」の二つからなると考える「陰陽論」や「木/火/土/金/水」の5つからなると考える「五行説」など様々な理論を展開しています。
あくまでも自然治癒力を重視する姿勢や、漢方薬が植物/動物/鉱物など自然由来の原料が使用されている点も漢方の自然派な一面です。
■漢方視点の健康観
❑未病とは
漢方では病気になる前の「未病」の状態で身体の不調を対処しようとする予防=養生の考え方が基本になります。
「未病」とは
なんだか体が重たくてだるい、お腹のあたりが気持ち悪い、少し頭が痛い、食欲がない、いつもより生理痛が重い…
など病院に行くほどではないし誰かに相談するほどでもないけど体が万全ではない状態のことで、
病氣➤未病➤健康というような位置づけです。
❑漢方が指す養生法
漢方と聞くとまず代表的なものとして漢方薬が連想されるかと思いますが、予防医学として漢方をとらえてみると薬としての役割である漢方薬以外にも
薬膳、ツボ、鍼灸など、身体を養生するための対処法として幅広い分野が含まれます。
- 漢方薬…漢方の養生において代表的な、主に薬として服用するもの(体の不調に対処するため複数の薬草などで調合されている)
- 薬膳…食事から養生のアプローチ、薬のような膳(料理)ではなく膳が薬になるという考え方
- ツボ…全身に点在するツボを刺激して氣/血のめぐりをよくし、身体のバランスを整える、身一つで手軽にできる(鍼で施術する鍼灸などもある)
漢方医療は心と体、そして体の中の臓器たちもそれぞれ繋がりがあると考えるため、体の各所に起きる不調に対して心の状態も含め、不調に至るまでの背景や体全体を総合的に診て不調の原因を探ろうとします。
■氣血水とは
漢方では「氣/血/水」が体を構成する3つの重要な要素とする理論があります。それぞれのバランスが整って滞りなく全身に満ち、巡っている状態が健康であるという、心と体が繋がっていると考える所以ともいえる漢方の理論です。

氣=エネルギー、生命力➤目には見えない生命活動の原動力となる体を漲る力
❑具体的な症状例
・氣が足りないと…疲れやすい、息切れ、内臓下垂、かぜをひきやすい(病は氣から)など
・氣が滞ると…氣持ちが落ち込む、ため息、胸がつかえた感じがする、お腹が張っているなど
❑おすすめの身近な食材
気虚…米、いも類、とうもろこし、枝豆、りんご、ぶどう、うなぎ、エビなど
氣滞…生姜、小松菜、蜜柑、柚子、シソ、ハーブなど
血=血液➤全身に栄養を巡らせる
❑具体的な症状例
・血が足りないと…肌が乾燥する、髪がぱさつく、めまい、目の疲れ、爪が割れやすい、眠れない(睡眠トラブル)、足がつるなど
・血が滞ると…肩こり、腰痛、しみやあざができやすい、頭痛、生理痛が重いなど
❑おすすめの身近な食材
血虚…黒米、たまご、ほうれん草、きくらげ、ひじき、黒ゴマ、クルミなど
瘀血…にんにく、ネギ、ニラ、とうがらし、桃、酒など
水(津液)=血液以外の体液➤全身を潤す
❑具体的な症状例
・水が足りないと…乾燥してカサカサ、便秘など
・水が滞ると…体が重い、むくみ、鼻水、軟便など
❑おすすめの身近な食材
津虚…白菜、れんこん、しいたけ、いか、豆腐など
水滞…きゅうり、もやし、海草類、スイカなど
■体の不調に対する向き合い方
漢方では
自分の力(免疫)で体の不調を治す力=「自然治癒力」を鍛え高めていくこと=「養生」(生命力を養う)
この考え方を基に自分の身体と向き合い健康であり続けようとすることが主目的になります。
あくまでも自分の力と共に養生法を活用して体調を改善させるという姿勢で、
例えば養生の一環として服用する漢方薬も程度の差はありますが即効性というより、ゆっくり体の内側から整えていくものが主で、身体の不調を改善するお手伝いをするような位置づけです。
「心と体は繋がっている」考えを基にすると、自然治癒力という部分も心身ともに健康な状態でこそ強く、高くなると捉えることができます。
体に不調が現れた時はその表面的な部分以外にも、自分の最近の生活環境や内面的な部分まで観察、振り返りをすることで体調改善の糸口が見つかるかもしれない…その考えを心に留めて真の健康という状態を日々模索していきたいですね🐣
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