感情と自然のつながり

こんにちは アサです

海で寄せる波を眺めたり木や花に触れると癒されるように、自然と触れ合うことは心の癒しに繋がりますよね。

この感覚への理解が深まり、自然と感情の結びつきをより立体的に感じられる「五行説」という漢方の理論をご紹介します📜


「五行説」とはこの世のあらゆるものが「木」「火」「土」「金」「水」の5つからなると考えた、漢方で語られる自然観の根幹といえる思想です。

「木」「火」「土」「金」「水」5つそれぞれの自然的特徴がお互いに助け/抑制し合うという関係性であることで自然界の均衡は保たれ、循環していると考えます。相手の特徴を生かして促進させる関係を「相生」、相手を鎮め抑える関係を「相克」といいます。

🌳=樹木、植物など
➣樹木の幹や枝が伸び葉をつけ成長していく、上へ外へと大きく強く広がっていく

🔥火=炎、太陽、光など
➣炎が上に向かって燃える、熱が上に昇る

🌱土=大地、山岳など
➣万物を受け入れ循環する、形を柔軟に変える、作物を育てる

🪨金=金属、鉱物、岩など
➣固くて冷たい

💧水=海、川、湖など
➣下に向かって流れる、ものを潤す

相手の特徴を生かし促進させるその関係性から母子関係に例えられ、影響を与える方が「母」、与えられる方が「子」(矢印を基準に左が“母”で右が“子”)という表現をしています。

  • 木➣火 木を擦り合わせると火が生じる
  • 火➣土 火が燃えると灰が生じて土になる
  • 土➣金 土の中から金脈が見つかる
  • 金➣水 金脈のそばに水がある
  • 水➣木 水によって木が成長する

一定を超えた相手の特性を鎮め抑えることでバランスをとろうとします、相手につ(勝つ)

  • 木➣土 木は土から栄養をもらう
  • 火➣金 火は金を溶かす
  • 土➣水 土は水の流れをとめる
  • 金➣木 金は木をきる
  • 水➣火 水は火を消す

漢方の理論は五行説で語られる5つの自然「木」「火」「土」「金」「水」と、人間の心と体(五臓六腑などの組織器官や感情)とを結びつけて展開されています。
五行に対応した5つの臓器が「五臓」、5つの感情は「五志」といいます。下の表は自然との繋がりを心や体などと幅広く関連付けて表にまとめた「五行配当表」の一部になります。

漢方では五臓として表現される「肝」「心」「脾」「肺」「腎」は必ずしもその臓器と一致するわけではなく(肝=肝臓のように)、その臓器や六腑「胆」「小腸」「胃」「大腸」」「膀胱」「三焦」などを含めた総合的な機能として捉えます。

「心」を例にとると単に心臓というだけではなく精神や意識といった内面的な部分も含めて考えます。各五臓の働きが弱まった際に五志の感情になりやすい、もしくは五志の感情の度合いが一定を超えると各五臓が弱まるという表の読み取り方をします。

肝…氣/血を巡らせる、精神の安定など
心…血を巡らせる、精神の安定など
脾…栄養を氣血水に変えて全身に送るなど
肺…氣を巡らせる、外邪(病の原因となるもの)から体を守るなど
腎…生命維持機能、精氣を保つなど

五行の「相克」の関係と五臓の働きを踏まえて自然と心の関係性を見ていきます。

矢印を基準として、右側にある五行に対応する感情になった時には左側の自然と関わるとその感情を鎮められるというイメージです。

土に対応する感情「思」を鎮める「木」

もやもやと思い悩む感情です。こんな時は生命力に満ち溢れた木や草花に触れてみることで心が静まります。

金に対応する感情「悲/憂」を鎮める「火」

悲しくなったり心配事に憂える感情です。揺らめくろうそくの火や沈む夕日を眺めることで心が静まります。

水に対応する感情「恐/驚」を鎮める「土」

恐れや驚きの感情です。砂浜を歩いたり陶芸をしたり、お庭の土などに触れることで心が静まります。

木に対応する感情「怒」を鎮める「金」

怒りの感情です。石に触れたりアクセサリーを身につけることでこみあげてくる怒りの感情を鎮めます。

火に対応する感情「喜」を鎮める「水」

喜びの感情です。喜びと聞くと一見鎮める必要がなさそうなイメージですがこの感情は高ぶりすぎると氣がゆるみ注意散漫になったり、神経が高ぶりすぎて心拍数が上がるなどの不調が起きます。火を消し下に流れていく水のイメージのように、湯船につかったり海や川の水に触れて感情を鎮めます。

五行説の図式に当てはまることだけが正解ではないので、型にはめすぎず「こんな切り口の考え方があって面白いなあ」というかんじで楽しく受け止めて心を癒す行動の糸口にしてみてください。

子どもの頃、砂山を作ったり、掘ったトンネルから水を流してみたり、泥団子や粘土をこねるなど砂遊びや水遊びが好きで、夢中になって今を楽しんで遊んでいた記憶はありませんか?

あれこれ頭で考えず心の赴くままに自然に触れていたということは、子どもの頃の自分は自然が心を癒やすということを本能で知っていたんですね。

日本は海に囲まれた島国で、地上の7割を山が占め、四季もはっきりしていることからわかるように自然環境にとても恵まれた国です。都会に住んでいても少し足を伸ばせば海、山、川などの自然を散策でき、遠出せずとも樹木や草花には身近な場所で出会えます。

ですが日々の忙しさや、科学の利器に囲まれていると自然に触れようという意識や自然豊かな国にいるという感覚も薄まりがちです。

たまには何も考えず無になって自然と触れることは心と体のメンテナンスとして必要な行動なので、童心も思い出しつつ、五行説という新たな視点も取り入れて自然と接し、

心の凪を感じる日を少しずつ増やしていけたらいいですよね。

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