こんにちは アサです
充実した一日を過ごせた日は心も体も朗らかな感覚がありますよね
心と体が豊かに感じる暮らしも自然を意識することがポイントです
今回は暮らしのヒントとして参考になる漢方の「陰陽論」の考え方をご紹介します📜
■陰陽論
「陰陽論」とはこの世のあらゆるものが「陰」「陽」の2つから成り立つと考えた漢方で語られる自然観の根幹となる思想です。
「陰」は暗く静的なイメージ、「陽」は明るく動的なイメージです。「陰」「陽」の性質がバランスよく巡り合いこの世が成り立っている…という考えを基にすると身体の状態というのも陰陽のバランスが保たれてる状態が健康と考えます。
陰陽の状態を表現する言葉として「対立」「互根」「消長」「転化」の4つがあるので順にみていきましょう。
❑陰陽の関係性
対立
「朝/夜」「天/地」「熱/寒」のように相反する真逆の属性を持つ対極の関係であるという事象に着目した言葉です。下にまとめたものは一例になります。
陽 | 天 | 日 | 朝昼 | 春夏 | 明 | 熱 | 上 | 外 | 男 | 動 |
陰 | 地 | 月 | 夕夜 | 秋冬 | 暗 | 寒 | 下 | 内 | 女 | 静 |
上の段が陽の属性、下の段が陰の属性です。
どちらが良い悪いなどの優劣はなく対等にバランスを取り合っています。特に一日の時間である「朝/昼/夕/夜」と、季節の時間「春/夏/秋/冬」を陰陽論でとらえて生活することは養生に繋がるので抑えておきたい項目です。
互根
陰があるから陽があり、陽があるから陰があるというように、両方が対になって存在しているからこそお互いの存在が成り立つという陰陽の関係性を表現する根本となる言葉です。
片方なくしては存在が成り立たないという相互依存の関係になります。
【表裏一体】からイメージ
【表裏一体】という言葉から陰陽の互根の認識を深めます。
表裏一体=表と裏は一つのもの
例えば輪切りするような食材、きゅうりでイメージします(唐突ですがイメージしやすいと思い例えてみました)
表がなければ裏は存在しません
表裏をなくそうと極限まできゅうりを切ってみても形ある限りは表と裏が存在します。ほんとうになくそうとして、例えば食べてしまったとしたら裏も表もその概念とともに消えてしまいます。
互いの存在なくしては存在しないというのはこのようなイメージです。
消長
どちらか一方が盛んになるともう一方は衰えるという量の変化です。
朝、日の出が見れる時間を朝としてそのまま昼に向かうまでは陽の氣が高まっていき、正午から夕方、夜にかけては陽の氣が減少していくと同時に陰の氣が高まっていく…
このように緩やかにお互いの陰陽の比率が変わっていく状態に着目した言葉です。
陽の氣の動き➤[朝]↗[昼]→[夕]↘[夜]
陰の氣の動き➤[朝]↘[昼]→[夕]↗[夜]
転化
この上ないところまで達すると陰が陽に、陽が陰に変わるという質の変化です。陰の時間である夜が更け切った時、陽の時間の朝が来る…という陰が陽に、陽が陰に切り替わる瞬間に着目した言葉です。
…以上の4項目が陰陽の関係性を説明する用語になります。
陰陽論は自然界の変化だけでなく人の体にも当てはめて考えることができるので、心身の不調が起きた時にも応用される理論です。暮らしの中にも役立てることができるのでまずは時間と絡めて考えてみましょう。
■自然と陰陽
私たちは流れる時間に沿って暮らしているので時間の陰陽を意識することが養生のポイントになります。一日の時間と季節に沿った動植物の一生の流れという2つの角度から暮らしのヒントを探ります。
❑時間➣五刻と五季
漢方の五行の考え方を踏まえると一日や一年という時間も五つに分けて捉えます。一日は「朝/昼/正午/夕/夜」として「五刻」、一年は季節のことでこちらは「五季」と呼びます。
季節は一般的には四季として4つで表現されますが時間と同じく五行の考え方に沿って考える時には季節も五つあると捉えます。春夏と秋冬の間に「長夏」(または「土用」とも呼ばれます)を含めて「五季」と表現されます。
人も自然と同じという漢方の考え方を踏まえると時間の流れと「陰」「陽」のバランスを意識することは心身の養生に繋がります。例えば睡眠でいうと陰の時間である夜はしっかり眠ることで身体を休め、陽の時間である朝には起きて活動を始めるというように、陽の時間は活動的に、陰の時間には安静に過ごすことが健康に生きるコツです。
五つの糸口=五緒 [言/心/体/行/住]
心身ともに健康で心穏やかに過ごすために必要なテーマとして提唱したい5つの項目を軸に表にしてみました
言=言葉 | 心 | 体=食事 | 行 | 住=睡眠 | |
【陽の時間】 | 話す/コミュニケーションをとる | 情動の起こることをする | しっかり食事をとる | 出かける | 起きて活動する |
【陰の時間】 | 控えめにする | 精神を落ち着ける | 控えめに食事をとる | 自宅で安静に過ごす | 寝て身体を休める |
陰陽の時間を意識した行動として特に意識したいことは睡眠です。これを基準に考えると夜寝る陰の時間には心も体も休まっていることが理想になるので、誰かと言葉を交わしたり、映像を観るなど五感に刺激がくる活動は陽の時間に済ませておくことが好ましいです。
❑五能=[生/長/化/収/蔵]
五能とは動植物の成長過程を季節に沿って表現した言葉です。
【五季】 | 春 | 夏 | 長夏 | 秋 | 冬 |
【五能】 | 生 | 長 | 化 | 収 | 蔵 |
植物で例えると
生…春に植物が芽吹く、誕生
長…夏にかけ気温が高まり成長していく
化…花が咲いたり実が成る
収…秋ごろ成熟、収穫する
蔵…草花が枯れる、土に養分を貯めて春を待つ
このような流れで自然界の動植物は活動していると考えます。
■暮らしの陰陽

季節に沿って動植物が一年を過ごしている、そうすることで自然界は巡っている…
そう捉えると自然の一部である私たちも同じように自然や陰陽の流れに沿って暮らすことは心身にとっての穏やかな暮らしに繋がると考えられるのではないでしょうか。
まずは身体のバランスを保つためには陰の時間に陰を意識した生活、陽の時間には陽を意識した生活をすることがポイントだと心に留めて、
自分ができそうな項目から少しずつ試して習慣化していき、心も体も健康であると胸を張って言えるような暮らしを目指していきましょう🙌
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