氣を開放する

こんにちは アサです

「元気」「勇気」「気力」「気持ち」…など日本には「気」を使った表現がたくさんありますよね

漢方では「氣」「血」「水」の3つが体を構成する重要な要素と考えますが

その中でも「氣」は私たちの根源的な部分、原義的なところに踏み込むと体というよりも心と表現するほうが近いものです

今回は「氣血水」の理論における「氣」とは何なのか、言葉そのものを掘り下げて考えていきたいと思います

まず「氣血水」というものをそれぞれ確認しますと

  • 氣➢エネルギー、生命活動の原動力
  • 血➢血液、体に栄養を巡らせる働き
  • 水➢血液以外の液体、体を潤す働き

というように、血と水が体を巡る物質的な存在であることに対して氣は視認できるものではない精神的な存在…つまり

見えない力「氣」+目に見える体内を巡る液体「血」「水」

と捉えることができます。

「病は氣から」という表現ってよく使われますよね。

私たちが核ともいえる「心」と、「心」が入る器である「体」というように、心と体が一体になった存在として生活しているとより強く感じることができる言葉です。

実際には体を使って生活してますが、私たちは心あってこその存在ということですね。

私たちの本体は

“心”=“氣”という精神的なもの

この前提を基に“氣”についての言葉をさらに深掘りします。

このブログでは「氣」を使っていましたが、一般的には「気」の字が主流で使われているのでそちらのほうが馴染みがある漢字ですよね。

今は圧倒的に「気」の字が使われていますが「氣」という漢字は、戦前の日本で今でいう旧字体として使われていた本来の字です。

注意してみると例えば「合氣道」など道場や日本に古くからあるお店の看板で目にすることができます。

それでは古くから日本で使われていた「氣」という漢字そのものについて紐解いていきます。

まず「旧字体」とは、戦後新たに「当用漢字表」という形で告示された漢字の中に含まれない、それ以前の日本で使われていた漢字です。「氣→気」「體→体」「鹽→塩」「國→国」などのように元の字の原型があるものから全く原型が見られない字などいろいろな形の変更が見られます。

私たちの核とも言える「氣」という漢字はもともと「米」という漢字が構成に入っていました。

米の字を分解すると八十八となることから八十八歳の誕生日を米寿と呼んでお祝いするように、米という字には末広がりという意味合いがあります。

末広がりの開放的なイメージが言葉としての意味合いに含まれ、
そして、食としての米の立ち位置は
日本人の主食として古来から食べられている体のエネルギーとなる穀物です。

つまり米とは

言葉としての米➣末広がりで開放的なイメージ
食品としての米➣体を支えるエネルギーとして欠かせない日本人の主食

というように、言葉的にも食品的にも日本人の心と体に馴染み深い存在だったということです。

末広がりで開放的な米を含む「氣」は

「氣」という私たちの根源的なトコロ、つまり心というのは開放的にするものと受け取れます。
そして米が体をつくる重要な食であることも意味に込められていたということです。

「キ」➢心であり魂、本体
「米」➢本体が入る体を作る大事な食

これらのことを踏まえると「氣」という漢字からはとても意味深いメッセージ性を感じます。先人たちは私たちの根源的な部分としての「キ」と食べると力が漲る「米」を結びつけて捉え「氣」の字を使っていたのでしょうね。

氣➣「キ=本体」が入る器である体を作るのに必要な食=米という意味の漢字

それが新字体として「米」から「〆」に変更され、まるで「キ」を常に閉めるかのような字が主流になってしまいました。

今まで米中心の食事をしていたところに欧米の食品、とりわけ小麦などが入ってきたのもこのころですが細かい背景はさておき、私たちの根源として捉えると「氣」には開放的な意識を持っていきたい言葉です。

冒頭ではあえて「気」の字を使いましたが、米を使った旧字体に慣れていきたいという想いから本ブログでは「氣」の字を使っています。

日本語には私たちの性質や心にまつわるところから、自然界にまつわるところまで、本当にたくさんの“氣”を使った言葉があります。ジャンル別にいくつか挙げてみたので“氣”本来の意味を思いながら改めて読んでみてください。

勇氣、元氣➢ミナギるプラスのエネルギー
氣分、氣持ち、氣楽➣こころ
氣力、氣合い、氣迫、氣骨、氣丈(氣丈夫)
氣質、氣性、氣が長い/短い
氣後れ➣氣がついてこない、勇気が足りない、こころがひるむ
氣がする➣心がそう思う
氣を引き締める➣ここぞという時に!
氣が済む

氣配り、氣遣い➣自分の心を分けたり配る
氣心が知れた、氣が合う、氣を許す、氣が置けない
氣に掛ける、氣がつく  
氣になる、氣にする
お氣に入り➣自分の心に入って馴染む

気が重い、気が進まない
氣が滅入る
氣が散る
氣が立つ
氣を取られる
氣が遠くなる
氣が触れる
氣に病む
氣絶

天氣、氣象
氣圧、氣流、大氣
熱氣、湿氣
寒氣、暖氣

普段何気なく使っていた言葉も新たな視点からみることで自分の言葉としてより深く馴染んでいくのではないでしょうか。これ以上にたくさんの言い回しがあるので調べてみて自分なりに解釈してみるのも楽しいかもしれないですね😊

誰か大切な人をお見送りするとき「きをつけてね!」といいますよね。
漢字で見てみると「氣を付けてね!」となります。

“氣”を“つけて”ね!


「心ここにあらず」という言葉がありますが、この「心」を「氣」と捉えると
“氣を付けてね”は、しっかり自分=心=氣を持っていることを意識して無事でいてね…

と解釈できます。自分が常に心と共にあると意識できる言葉を私たちは無意識に送り合っていたんです。御先祖様から受け継がれた私たちの心がこの言葉を知っていたんです。

ここまで“氣”の字を見てきた今
氣と気を見比べると、“氣”に力がこもっているように感じてきませんか?

私たちの根源である心と同義で、目には見えない精神的な力としての意味合いがある「氣」

これから漢字で書く際にはご自分の「氣」というものの存在を意識しながらぜひ旧字体の方を使ってみてくださいね🙌

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