心と体の健康は日々の生活習慣によって作られます
病の原因のなかでも特に生活習慣との関りが深い「飲食不節」「労逸」について確認してから、
健康な心身を保とうとする上で把握しておくと養生に役立てやすい「体質」について確認していきましょう📜
■病の原因
病気の原因としては大きく3つあり、外因、内因、不内外因があります。
外因は5つの外から来る邪気「風/熱/湿/燥/寒」が入り込むことで起きる病気、
内因は5つの感情「怒/喜/思/悲(憂)/驚(恐)」が行き過ぎて五臓が傷つき起こる
心=内側から発生する病気、
そして不内外因はそれ以外の、主に生活習慣や体質など遺伝的な原因を発端とする病気のことを指します。
病気の原因
外因…体を外から攻撃する邪気により体が病む
内因…強い感情の揺らぎにより心が病む
不内外因…外からでも内からでもない生活習慣や個人の特性によるバランスの崩れ
心と体が盤石であれば外からも内側からも邪に攻撃されにくい、病気になりにくい体にすることにつながることを踏まえると
生活習慣という、日々健康な身体づくりを意識してすることこそが
病をよせつけない身体でいるために実践していきたい養生ということになります。
つまり不内外因という外からでも内側からでもない生活習慣の乱れからくる病こそ一番はじめに、
そして常日頃から注目して見直していきたいポイントということになります💡
それでは、不内外因として挙げられる「飲食不節」「労逸」についてそれぞれ確認していきましょう!
❑飲食不節と労逸
健康を阻害し病気の原因になることとして「飲食不節」と「労逸」があります
飲食不節
飲食不節とは節度を超えた量の食事や遅い時間の食事で胃に負担をかけたり、好き嫌いや好物の過食など偏った食事で栄養バランスが崩れた偏食などを指します。
食べ過ぎ、偏食が重なることで体内の気血水、五臓のバランスが崩れ特に脾、胃が傷つき体調不良が現れます。
労逸
労逸の「労」は動くこと、「逸」は休むことを意味します
「労」が過ぎる=過労、体を酷使しすぎ、精神疲労
➣過労は気血を消耗する、心労は脾の運化を失調させる
「逸」が過ぎる=体を動かさなさ過ぎて気血の巡りが悪くなる
➣運動不足も気血の巡りを妨げ脾の運化を失調させる
「腹八分」「体が資本」などの言葉があることからも分かるように
食べ過ぎも、体を必要以上に酷使しすぎることも、
反対に休みすぎること(運動不足)も心身に負担をかける…
何事もバランスが大事でやり過ぎは禁物ということになります。
■体質
五臓や氣血水のバランスが乱れることによって心身の不調が現れるというのはいつでも、誰にでも起こり得ることですが、
人それぞれが持つ「体質」ごとに特にバランスが崩れやすい五臓や氣血水というのあるため、
それを把握して養生法の参考にしてみましょう!
❑体質とは
体質とは、生まれながらに持っている先天的な身体の特徴と、成長の過程で後天的にも形成されていく、身体的特徴や内面的な特徴として現れる個人の性質のことを指します。
漢方的な視点から見た体質として代表的な3つの体質をご紹介します
それぞれの特徴を知ることで自分にあった養生法を実践してみてください🙌
偏虚体質
「偏虚」=「虚」の状態に「偏」っている状態
主に「氣」「血」が足りていない、虚弱体質
病気への抵抗力が低く、回復も遅めな傾向にあります
養生ポイント
【足りていないから補う】
★特に「氣」「血」を補う
・気血を補う食材をとる
・よく噛んで食べる➣消化に負担をかけないように
・温かい飲食➢冷たいと気を消耗するから
・睡眠をしっかりとる➢夜に血が作られるから
偏寒偏湿体質
「寒」と「湿」の状態に「偏」っている状態
「寒邪」と「湿邪」の影響を受けやすく「熱」に耐性がある体質です。
陰陽で考えると陰に偏っているため「偏陰」ともいいます。
身体が冷えやすかったり「水」のバランスが崩れやすい、むくみやすい体質ともいえます。
水分の摂りすぎに注意です。
養生ポイント
【陰に傾いているから陽に傾ける】
★冷え対策+余分な水分を取り除く
・温性の食材をとる
・水巡りを良くする食材をとる
・運動や入浴で適度に汗を出す
・日光浴
・腹巻などでお腹を温める
偏燥偏熱体質
「燥」と「熱」の状態に「偏」っている状態
「風邪」と「熱邪」の影響を受けやすい「寒」に耐性がある体質です
陰陽で考えると陽に偏っているため「偏陽」ともいいます。
熱がこもって水分不足になるため乾燥しやすい傾向があります。
養生ポイント
【陽に傾いているので陰に傾ける】
★余分な熱を冷ます+潤いを補う
・潤いを補う食材をとる
・辛いものをさける➢熱をこもらせるため
・カフェイン、アルコール避ける➢乾燥を防ぐ
・長風呂△
・加湿器や濡れタオルを部屋に置いて乾燥対策
体質による特徴はそれぞれですが全てに共通するのは身体のバランスが崩れた状態になっていて、
そのことは邪気が入りやすい=病気にかかりやす状態になってしまっているということです。
漢方において病気は正氣と邪氣のバランスが崩れることでかかるものと考えますが
それは体質の偏りも同じ意味になりますので、体質の偏りを少なくバランスを整えることが正氣が強く、病気になりにくい身体を作ることに繋がるということになります。
■過ぎたるは猶及ばざるが如し

飲食不節や労逸、体質をはじめとする生活習慣は一朝一夕で対策できるものではないので
「過ぎたるは猶及ばざるが如し」という
何事もやり過ぎは足りないことと同じくらいいいことではないという言葉を胸に
出来そうなところから習慣づけて「バランス」を意識した養生生活を心がけてみてくださいね🙌
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